藤沢市の学校コロナ対策への指摘事項

 藤沢市の学校コロナ対策への指摘事項

 

はじめに

 


先日本ブログで公開した藤沢市教育委員会のコロナ対応方針(「藤沢市立学校新型コロナウイルス感染症対策について」について、保護者有志での指摘事項をまとめました。

 

特に大きな問題点と感じたのは、9月24日の資料4、および10月に保護者向けに通知されたプリントにおいて変更された以下の2点が、感染者が急増しているなかでも、そのままになっていることです。

 

見直しが必要と思われる昨年の市教育委員会による方針変更:

  1. 感染者が判明したら学級閉鎖ではなく自宅待機とする(9月24日)

  2. 同居家族に症状がある場合は出席停止としていたが登校可能とする(10月12日)

 

まず1点目については、なぜ学級閉鎖ではなく「自宅待機」という扱いに変更する必要があったのかが書かれていません。(どちらでも保護者にとっての実態は変わらず、もし公表対象である学級閉鎖は避けたいという市の都合のみを考慮した変更だとすると、結果として学校の感染実態が保護者にとって見えづらい「改悪」といえます)資料4には、何も理由が書いていないことも、その疑念を強くさせるものでした)感染が拡大し、地域の感染実態を保護者が知ることで登校判断に資する情報であると考えると、「自宅待機」という措置はとりやめ、学級閉鎖扱いに戻す必要があると考えます。

2点目については、昨年保護者有志が教育委員会の方と会話した際には、感染レベルが悪化したら再度戻すということでした。しかし、いまだ緩和されたままになっているようです。何らかの国の指針や合理的な理由があるのであれば別ですが、そうでなければ、早急に同居家族に症状がある場合は出席停止するという昨夏の基準に戻すべきではないでしょうか。

これらの変更や緩和が遠因となり、1月中旬以降に発生した学級閉鎖、学年閉鎖、小学校のクラスターにつながってしまっているとしたら…問題と捉えています。

 

なお、10月12日の通知についてはこちらのツイートのスレッドをご参照ください。

 

以下でも指摘していますが、「自宅待機」という藤沢市独自の定義があることからかえって保護者の間での混乱や疑心暗鬼を生んでいるようです。市からすれば自宅待機させているということかもしれませんが、一部の保護者からは「学級閉鎖を隠しているのではないか!という反応もみられます。例えば、以下のツイートをご覧ください。

 

市内の方のツイッター投稿

 

この方の仰ることはもっともです。

 

保護者有志は、市教育委員会や市議さんから「自宅待機」の位置づけを教えていただき承知していますが、10月のプリントで一言触れられているだけで、1月に入って感染拡大してもまん延防止等重点措置期間の対象になっても、何ら市としての学校対策強化に関する(再)通知がないのですから…他自治体の対応を見ると、どうやら「自宅待機」という独特の措置をとっているところは見当たらず、藤沢市の独自の対応のようです。

 

お隣の茅ヶ崎市などが学校感染対策のガイドラインを市のホームページで広く公開している一方で、藤沢市は土屋議員からの指摘を受けて初めて市議さんに提供するまで、非公開扱いとしていました。学校に対しては、以下のような想定問答集も用意しています。

資料2より引用:
外部からの問合せには、次のような回答例を参考に情報管理を徹底すること。

 

例1)どこの学年(学級)から陽性者が出たのか教えてほしい。

→人権上の観点から、お教えすることはできません。

人権上の配慮も分かるが、命を守る観点から公表すべきである。

→保健所からの指導の下、安全を確保に努めてまいりますのでご理解をお願いします。

 

例2)全教職員(全児童生徒)が検査を受けるべきである。

→PCR検査については、保健所の指示のもと濃厚接触者が検査対象者とされます。

 

例3)学校は安全なのか?

→保健所の指導のもと消毒を行うこと、濃厚接触者は自宅待機とすることなど、安全策を講じたうえで、学校再開となりますので、ご理解ご協力をお願いします。

 

例4)藤沢市のガイドラインを見ることができるのか。

→本市ガイドラインは、国や県の通知に基づいております。参考に、元となる情報をお知りになりたい場合は、文部科学省のHPで確認することが可能です。

 

感想は人それぞれでしょう。

 

以下では保護者有志が気づいて市議さんにお送りした指摘事項を紹介します。

 

藤沢市の保護者の皆さん、市教育委員会からはこのような指導が行われているということを踏まえて、子どもたちのために、学校のコロナ対策について、違和感を覚えることがあれば市教育委員会または市議さん、そして学校に質問、提言をしてまいりましょう。

 

 

藤沢市の学校コロナ対策資料に対する指摘事項

 

 

資料1

「藤沢市立学校新型コロナウイルス感染症対策について」の資料提供について」

 

特になし。

 

 

資料2

「藤沢市立学校新型コロナウイルス感染症対策について」(令和3年4月9日改訂)

 

全体

→本資料は2021年4月9日改訂となっていますが、第6波が急拡大しているなか、感染性の強いオミクロン株の特性を踏まえた見直しが早急に必要です。また、文科省の衛生管理マニュアルおよび厚労省のQ&Aの内容も変異株の特性を踏まえて更新されているため、それらの変更も反映したうえで、市のホームページや通知を通じ保護者にも広く公開すべきと考えます。「オミクロン株は軽症」というイメージが各種報道を通じて定着しておりますが、小児に関しては、医師の緊急投稿によれば、オミクロン株がデルタ株に比べて軽症という証拠はないという指摘もあり、油断はできません。

 

参考:

学校における新型コロナウイルス感染症に関する衛生管理マニュアル

(2021年12月10日改訂)

 

新型コロナウイルスに関するQ&A(一般の方向け)|厚生労働省

(2022年1月25日更新)

 

[緊急寄稿]SARS-CoV-2オミクロン株に対するワクチン効果─日本では免疫が消失,ブースター接種により感染爆発を防ぐべき(菅谷憲夫)

小児の入院患者が増加する危険性

"小児に関しては,オミクロン株がデルタ株に比べて軽症という証拠はない点に注意が必要である。米国では,既に新型コロナウイルス感染症(COVID-19)により,1000人以上の小児(18歳未満)が死亡しているが,オミクロン株流行に伴い,小児の患者,さらに入院患者が増加していることが報道されている。米国では,1回以上のワクチン接種を受けた割合は,12歳から18歳までは63%,5歳から11歳までは25%となっている5)。一方,日本ではハイリスクと考えられる低年齢小児の接種がまったく実施されていないのは懸念材料である。"

"死亡者数は増加していないが,入院患者数は明らかに増加傾向にある。日本や世界各国で,高齢の患者がまだ少ないこともあり,現時点で,オミクロン株が軽症と考えるのは早計である。オミクロン株の流行で,各国で小児入院例が多数出ていることも,深刻な懸念材料である。"

 

「体調に不安、すぐ連絡を」 自宅療養、2週間で14倍に―専門家呼び掛け

"けいゆう病院(横浜市)の菅谷憲夫医師(感染症)は「オミクロン株は症状が軽いと言われるが甘く見るのは危険」と警鐘を鳴らす。「米国では入院者が増え、日本でも死者が増える恐れがある」とした上で、国や自治体が自宅療養者がいる家庭に対し、米国で配られる高機能マスク「N95」を配備することを提唱。「オミクロン株は感染力が極めて強い。N95が無理でも不織布マスクを2枚重ねるなど工夫してほしい。特に洗面台やトイレなどの共有部分は寒くても小まめに換気を」と訴える"

 

P.3 2 換気の励行

→「会食時にはマスクを外すため、昼食時には換気を強化する」ことを明記していることは評価できます。一方、麻疹なみの感染力があるとされるオミクロン株(注1)では、換気の重要性が一層高まっていると考えられます。厚労省の最近のQ&Aの更新(主要感染経路としてエアロゾルを追記)も踏まえ、注意すべきは「飛沫感染のみならずエアロゾル感染である」ことを併記し強調すべきです。同様に、P.5 (4) ア「飛沫を飛ばさないように」P.7「空気が乾燥し、飛沫が飛びやすくなる」P.8「くしゃみや咳のしぶき」P.19 「飛沫を飛ばさないよう」P.20「マスクは飛沫拡散防止の効果があるため」P.23 「マスクは飛沫拡散防止のため原則着用」などの記述でも、エアロゾルについての注意喚起をするべきです。「なぜ換気が重要なのか」という点を、教職員が深く理解することが極めて重要であるためです。2022年1月に市内小学校で発生し、30名以上に拡大してしまったクラスターの原因の検証においても、保健所も交えて換気の状況を確認することが求められます。

 

参考:

新型コロナウイルスに関するQ&A(一般の方向け)|厚生労働省

新型コロナウイルス感染症にはどのように感染しますか。

"感染者の口や鼻から、咳、くしゃみ、会話等のときに排出される、ウイルスを含む飛沫又はエアロゾルと呼ばれる更に小さな水分を含んだ状態の粒子を吸入するか、感染者の目や鼻、口に直接的に接触することにより感染します。一般的には1メートル以内の近接した環境において感染しますが、エアロゾルは1メートルを超えて空気中にとどまりうることから、長時間滞在しがちな、換気が不十分であったり、混雑した室内では、感染が拡大するリスクがあることが知られています"

 

[緊急寄稿]SARS-CoV-2オミクロン株に対するワクチン効果─日本では免疫が消失,ブースター接種により感染爆発を防ぐべき(菅谷憲夫)

オミクロン株は麻疹なみの感染力がある

"オミクロン株の感染力が極めて高いことは事実で,デルタ株の基本再生産数は,水痘なみの8と言われていた(水痘の免疫のない集団に1人の発症者が出ると8人が感染する)6)。オミクロン株では,その数倍はあるとされるので,麻疹の感染力に近いと考えられる(麻疹の免疫がない集団に1人の発症者がいたとすると,12〜14人が感染する)7)。 麻疹と同等の感染力を持つウイルス感染症が日本で流行り始めたと考えると,ブースター接種なしで,マスク,手洗い,social distancingなどで対処するのは厳しい状況である。一般に,麻疹の予防にはマスク着用は効果が低いとされる6)。 日本が今まで欧米よりもコロナの被害が少ない大きな理由としてマスクの着用が徹底されていたことが指摘されて来たが,麻疹なみの感染力を持つオミクロン株に対して,一部の米国の専門家は,一般人でもN95マスクの着用を勧めている。”

 

注1

これについては、世代期間が短いだけで想定されていたほどの感染力ではないという指摘もあります。その一方で第5波までには見れらなかった学校での感染、クラスターが急増している現状を見ると、やはり感染力の強さは侮れないと考えます。また、「オミクロン株は、上気道、鼻やのどで増えると言われていて、子どもはたんを出しにくかったり、気道が小さかったりして、激しくせきこんだり呼吸困難になったりすることも考えられる。子どもにとっての上気道の感染症は侮ってはいけない」という専門家の警鐘もあり、いずれにしても「オミクロン株は軽症」という先入観で対策が緩められることがあってはなりません。

 

P.3 3 マスクの着用について

→資料3/4として別途記載があるものの、感染力の強い変異株に対してはマスクの性能とフィット感がより重要になっていると捉えられるため、児童生徒の顔にしっかりフィットした高性能なマスク(不織布マスク)を推奨する点を、基本的な対応指針として本資料の冒頭など分かりやすい部分に追記し、強調すべきです。文科省の2021年1月25日付の事務連絡においても、政府の対処方針に追記された「不織布マスクを推奨」という文言を各自治体の教育委員会に周知しています。本資料での記載を更新することにとどまらず、感染が急拡大する現下の状況を踏まえ、早急に市内学校・保護者にも広く通知すべきです。実際に小学校でクラスターが発生し、拡大してしまっているなか、P.19「原則マスクを着用すること」P.20「マスクは飛沫拡散防止の効果があるため」といった箇所においても不織布マスクを推奨する旨、繰り返し強調することが重要な状況と考えます。

 

参考:

「新型コロナウイルス感染症対策の基本的対処方針」の変更について【教育委員会等】

"「新型コロナウイルス感染症対策の基本的対処方針(以下 「対処方針」という。)」が変更されましたので、お知らせします"

"基本的な感染症対策に関する以下の記載において、下線部分が追加されました"

"マスク(不織布マスクを推奨。以下同じ。)の 着用、手洗い等の手指衛生、換気等)が重要"

 

新型コロナウイルスに関するQ&A(一般の方向け)|厚生労働省

マスクはどのような効果があるのでしょうか。

"マスクの素材や、人と人の距離感等によって、マスクの効果には違いが生まれます。まず、マスクの素材ですが、一般的なマスクでは、不織布マスクが最も高い効果を持ちます。次に布マスク、その次にウレタンマスクの順に効果があります。もちろん、人の顔の形は千差万別ですので、同じ素材のマスクの間でも、自分の顔にぴったりとフィットしているマスクを選ぶことが重要です。また、マスクのフィルターの性能や布の厚さなどによっても差が出ます。次に、マスクは、相手のウイルス吸入量を減少させる効果より、自分からのウイルス拡散を防ぐ効果がより高くなります。仮に50センチの近距離に近づかざるを得なかった場合でも、相手だけがマスクを着用(布マスクで17%減、不織布マスクで47%減)するより、自分だけがマスクを着用(布マスク又は不織布マスクで7割以上減)する方が、より効果が高く、自分と相手の双方がマスクを着用することで、ウイルスの吸い込みを7割以上(双方が布マスクで7割減、不織布マスクで75%減)抑える研究結果があります。特に、室内で会話を行う場合は、マスクを正しく着用する必要があります。また、屋外ならばマスクは不要ということではありません。感染防止に必要な「最低1メートル」の間隔を確保できない場合もありますので、やはりマスクは重要です。自分から相手への感染拡大を防ぐために、話す時はいつでもマスクを着用しましょう"

 

P.6 【職員室の密を避ける対応例】

P.7 窓のない部屋について

→換気対策が十分に行われていないためにクラスターが発生したとの保健所の指摘を受けてCO2モニターを緊急配備した鶴岡市の事例や、麻疹なみの感染力があるとされるオミクロン株の特性などを踏まえると、二酸化炭素濃度を可視化するためのツールとして、CO2モニターも積極的に活用すること、という文言を追記すべきです。各教室への配備が望ましい一方で、第6波への緊急対応として、職員室あるいは各教職員のみでも早急に配備する必要があります。

 

参考:

学校における新型コロナウイルス感染症に関する衛生管理マニュアル

P.35

ハ)機器による二酸化炭素濃度の計測

"十分な換気ができているかを把握し適切な換気を確保するために、 適宜学校薬剤師等の支援を得つつ、換気の目安としてCO2モニターにより二酸化炭素濃度を計測することも考えられます。学校環境衛生基準では、1500ppmを基準としています。政府の新型コロナウ イルス感染症対策分科会では、マスクを伴わない飲食を前提としている飲食店等の場合には、1000ppm以下が望ましいとされており、 昼食時には換気を強化するなど、児童生徒の活動の態様に応じた換気をしてください"

 

鶴岡、市中感染拡大か 新型コロナ・児童らにも急速に

"集団感染となった小学校については、校舎が古く、視察した県庄内保健所から「校舎の構造や設備の問題から、換気対策が十分に発揮されていない」との指摘"

"換気対策の強化を図るため、二酸化炭素(CO2)モニターを緊急購入して全小中学校に配備"

 

P.10 2 出席停止の基準

P.11 (2) 出席停止基準の詳細について

→「児童生徒の同居家族に症状等がある場合、基本的に出席停止とならない」とされておりますが、文科省の衛生管理マニュアルに沿って、レベル2以上の状況では、出席停止とすべきです。

 

参考:

学校における新型コロナウイルス感染症に関する衛生管理マニュアル

P.22

"レベル3及びレベル2の地域では、同居の 家族に風邪症状が見られる場合も登校させないようにしてください"

P.45

"感染がまん延している地域(レベル2や3の感染状況の段階である地域)においては、同居の家族に発熱等の風邪の症状がみられるときにも、出席停止の措置を取ります"

 

P.17 (2) 偏見や差別への対処

→外部からの問い合わせとして、「全教職員(児童生徒)が検査を受けるべきである」「藤沢市のガイドラインを見ることができるのか」という例が示されていますが、これらは必要な対策であり、例として示されている回答で済ませるのではなく、他自治体での事例を参考に、市としての態勢を早急に整備すべきです。ガイドラインは公表することによる市民への不利益なく、むしろ防疫に寄与する情報であることから速やかに公開すべきと考えます。

 

参考:

一斉検査の事例

三浦市立中のクラスター 学校側の自主的検査で判明 新型コロナ

沖縄県 学校PCR検査事業の実績(小学校における陽性率は濃厚接触者:1.22%、(濃厚接触認定されていない)接触者:1.84%)

寝屋川市長ツイート「南小学校の児童の感染が確認され、在籍クラス全員のPCR検査(全員スクリーニング検査)などを行っていた件です。 全員の「陰性」が確認されました。しかし、同クラスはすでに4名の陽性(全員有症状)が確認されており、検査期間を含め10日間の休業となります」 

新型コロナウイルス感染症に関する墨田区長からのメッセージ

「複数の検体を1度に分析する「プール方式」を導入したことで、大量のPCR検査を行える体制を構築しました」

「この「プール方式」を使うことで、学校のクラスター防止、子供たちの安心・安全の確保が期待できます」

「高崎市小学校クラスター 陰性者にもう一回PCR検査して学校再開を判断」

 

ガイドラインの事例

茅ヶ崎市 新型コロナウイルス感染症対策と学校運営に関するガイドラインについて

平塚市 新型コロナウイルス感染症に対応した持続的な学校運営のためのガイドライン

「寝屋川市新型コロナウイルス対策(市立学校園・保育所感染)に関する対処方針」等の見直しについて

熊本市 学校再開に伴う感染防止対策等のガイドラインについて / 新型コロナウイルス感染症対策

新型コロナウイルス感染症に対応した さいたま市学校教育活動実施マニュアル 「学校の新しい生活様式」

新型コロナウイルス感染症に係る学校の対応 松戸市教育委員会

市立小中学校における新型コロナウイルス感染症への対応について 松本市

市立幼稚園・学校における新型コロナウイルス感染症対策について/札幌市

岡山市立学校における新型コロナウイルス感染症関連事項について | 岡山市

新しい学校生活におけるガイドライン|刈谷市

新型コロナウイルス感染症の学校における感染対策ガイドラインについて | 富里市

下松市 学校における新型コロナウイルス感染症対応ガイドライン

 

P.20 (2) 学習活動

→音楽における「室内で行う合唱及びリコーダーや鍵盤ハーモニカ等の管楽器演奏」

レベル2以上、あるいはまん延防止等重点措置の対象となった場合は、文科省衛生管理マニュアルに沿って「感染リスクの 高い活動を停止」するよう、学校を指導すべきです。保護者間の情報交換によれば、藤沢市立学校の中では、レベル3かつまん延防止等重点措置対象となっている時点でも、合唱コンクールを実施予定の学校あるという話がありますが、レベル3においてはこれらの活動は「「感染症対策を講じてもなお感染のリスクが高い」ことから、行わないようにします」と明記されています。

 

参考:

学校における新型コロナウイルス感染症に関する衛生管理マニュアル

 

P.21 (4) 学校給食及び昼食

→前述のエアロゾル感染のリスクを明記し、給食中は特に換気を励行するよう、強調すべきです。併せてCO2モニターを活用できる場合は、特に二酸化炭素濃度を踏まえた換気を推奨してください。黙職、対面回避、席の間隔を開けるだけでは、麻疹なみの感染力があるとされるオミクロン株の感染予防には十分ではないと考えられます。

 

P.22 (5) 部活動について

→藤沢市立学校の中では、レベル3かつまん延防止等重点措置対象となっている時点で、部活動再開の案内を受領した保護者もおりますが、市内学校で学級閉鎖、学年閉鎖、クラスターが発生している中、衛生管理マニュアルのレベル3における「個人や少人数での感染リスクの低い活動で短時間での活動に限定」、あるいはレベル2の「リスクの低い活動から徐々に実施」「密集する運動や近距離で組み合ったり接触したりする場面が多い活動、向かい合って発声したりする活動の実施は慎重な検討が必要」という指針との整合性がとれているか懸念されます。地域の感染レベルがレベル3以上の場合は「なるべく個人での活動とし、少人数で実施する場合は十分な距離を空けて活動します。密集する運動や近距離で組み合ったり接触したりする場面が多い活動、向かい合って発声したりする活動は行わない」と明記されています。

また、「マスク着用での演奏が難しい楽器の集団の演奏については、生徒同士の間隔を2m、前後左右十分に保ち、同じ方向を向く」という対応のみでは、麻疹なみの感染力を持つとされるオミクロン株への対策としては十分ではないと考えられますので、換気の励行についても追記すべきです。

 

参考:

学校における新型コロナウイルス感染症に関する衛生管理マニュアル

 

P.26 9 感染者が発生した場合

(6) 保健所の濃厚接触者等の特定や学校の消毒等に時間を要することから、臨時休業(日数は状況による)を行う。

→現在、私立学校では、濃厚接触者等の特定の期間は「自宅待機」という独自の期間を設け、臨時休業(学級閉鎖など)ではないと捉えて対応されているようです。これはこちらのガイドラインの記述と矛盾しますし、保護者の混乱や疑心暗鬼(学級閉鎖になっているが、市ホームページで発表されていない、隠ぺいではないか)を招いています。事例で示している通り、他自治体では、児童生徒や教職員の感染が一人でも判明したら「濃厚接触者特定のための調査に必要な期間、学校の全部または一部を臨時休業」する自治体もみられますが、オミクロン株の感染力を踏まえると、同様の対応が妥当と考えます。「自宅待機」という分かりづらい期間を設けるのはやめ、ガイドライン通りに臨時休業として運用し、市ホームページで速やかに公表すべきです。

また、臨時休業基準については、文科省の1月12日の事務連絡において、「学校内で感染が広がっている可能性が高い場合に臨時休業を行う範囲や条件を事前に検討し、公表しておくことが適切です」と改めて周知されていますが、藤沢市では2021年9月の保護者向けプリントで「状況に応じて学年閉鎖や学校全体を臨時休業とする」ことがある旨通知があったのみで、条件が適切に公表されているとはいえません。他自治体の事例を参考に、わかりやすい条件を保護者に提供すべきです。

 

参考:

学校で児童生徒等や教職員の新型コロナウイルスの感染が確認された場合の対応ガイドラインの再周知等について

 

臨時休業基準の事例

川崎市 市立学校の臨時休業ルール等について

新型コロナウイルス感染症による豊橋市立学校の臨時休業の基準について/豊橋市

新型コロナウイルス感染拡大防止のための学級閉鎖・臨時休業等に関する指針 神戸市教育委員会

緊急事態宣言解除後における新型コロナウイルス感染症にかかる 学校休業(休校)、学級・学年閉鎖等の対応について | 八尾市

緊急事態宣言等発令期間中における学級閉鎖等の実施について(令和3年9月7日更新)/高石市ホームページ

学校における臨時休業等の判断について 西宮市教育委員会

 

資料:学校行事の取り扱いについて

【宿泊を伴う行事】

「緊急事態宣言期間中においても、旅行先地域が、学校における団体旅行を受け入れる状態にある場合、感染症防止対策を十分に講じることで宿泊行事の実施を可能とする」

→当指針については、神奈川県教育委員会の以下の指針と矛盾することに加え、感染力の強いオミクロン株が蔓延している状況下では、長距離の移動(換気が難しい構造のバスや電車等)、マスクを外す食事、入浴、就寝(換気が難しい冬季に窓を閉め切っての相部屋)といったシチュエーションでは感染拡大リスクが非常高いことから、レベル2以上の状況では延期とするように変更するなど、早急に見直すべきです。

第5波のピークを超える感染状況下、かつまん延防止等重点措置の対象となっても、市立学校では、八ヶ岳の宿泊行事を強行する学校が見られるとの話がありますが、学校によっては日帰りとしたり、直前に延期したりと判断にバラつきがある様子で、保護者も児童生徒も振り回されています。市教育委員会として、「このような状況では見合わせるべき」と明確な基準を示していないことが、こうした混乱と感染拡大のリスクを招いています。

 

参考

新型コロナウイルス感染症の対応について - 神奈川県

修学旅行等について

"修学旅行等の宿泊を伴う行事については、長時間の移動、集団での宿泊による感染リスクがあることから、延期又は中止とする。"

"宿泊を伴わない校外活動のうち、県境を越えるものについては延期又は中止とする。"

【各市町村教育委員会教育長あて】令和4年1月21日以降の市町村立学校の教育活動等について(通知)

"貴教育委員会所管の各学校においても、次の県立学校の基本的な対応を踏まえた上で、別添写しの県立学校あて通知も参考に、それぞれの地域や学校の実情等に応じた対応をとるようお願いします。なお、市町村立学校における対応に関して、必要がある場合には、子ども教育支援課長と協議いただくようお願いします。"

 

【遠足的行事】【職場体験活動】

(1)神奈川県及び訪問先地域に対して国が「緊急事態宣言」を発表していないこと

(1)神奈川県に対して国が「緊急事態宣言」を発表していないこと

→第5波のピークを超え、医療体制にも影響が出始めているレベル3以上、および大人に対する行動制限が要請されているまん延防止等重点措置適用期間中は、慎重に判断するとすべきです。また、遠足的行事は延期等で代替することが可能であり、感染力の強いオミクロン株の特性を踏まえると、まん延防止等重点措置期間中の現下の状況でも、地域で学級閉鎖、学年閉鎖、クラスターが発生していることから感染拡大リスクを抑えての実施は非常に困難であると考えらえます。このような状況変化を踏まえると、少なくとも、「ただし、緊急事態宣言下においても、感染症防止対策を十分にとり、不特定多数との接触を避けられる場合は、実施することができる」という文言は削除すべきです。緊急事態宣言が発出されるような感染爆発期においては、児童生徒や教職員間での感染リスクに加え、移動中および移動先での市中感染リスクも高いと考えられます。学校ごとに判断をゆだねるようなこのような指針では、学校長の方針によっては、感染拡大リスクを軽視して行事を強行した結果、様々な混乱や被害を招く恐れがあると危惧します。

 

[文化的行事]

秋祭り・校内音楽会・文化祭

児童生徒のソーシャルディスタンスを十分に確保した上で、その他観覧スペース等における感染症防止対策及びソーシャルディスタンスを十分に確保できる場合は、保護者の参観も可能とする。(例、座席の指定、人数制限、分散開催 等)

→麻疹なみの感染力があるとされるオミクロン株においては、ソーシャル・ディスタンスを確保できる状況でも、密閉空間においては感染リスクが高いと考えられます。十分な常時換気が行えない場合は、保護者の参観は不可とすべきです。

衛生管理マニュアルのレベル3における「個人や少人数での感染リスクの低い活動で短時間での活動に限定」、あるいはレベル2の「リスクの低い活動から徐々に実施」「密集する運動や近距離で組み合ったり接触したりする場面が多い活動、向かい合って発声したりする活動の実施は慎重な検討が必要」という指針との整合性も踏まえると、レベル3においては行事そのものの実施を延期すべきと考えます。同様に、レベル2であっても、十分な常時換気が行えない場合は行事そのものを延期することを検討すべきです。

 

 

【文化的行事】【中学合唱コンクール】【儀式的行事】
入学式・卒業式・始業式・終業式・修了式等

→「合唱」「吹奏楽等の演奏」儀式的行事における【歌唱】は、衛生管理マニュアルの「「感染症対策を講じてもなお感染のリスクが高い」ことか ら、行わないようにします。」という指針を踏まえ、レベル3の状況下においては「実施不可」とすべきです。

 

 

資料3

「感染拡大に伴う市立学校の夏季休業明けの教育活動について」(令和3年8月31日)

 

P.1 2.藤沢市保健所が行う疫学調査等の体制について

・濃厚接触者の対応としては、最終接触日から2週間、自宅での健康観察を依頼する。すべての児童生徒を対象とした検査は行わない。

・集合検査(学級単位等)については、教職員の発症や同一学校内での関連性が疑われる事例が複数発生した場合などに、実施を検討することがある。

→感染力の強いオミクロン株では、一人でも感染者が判明したら、躊躇なく学級閉鎖し、クラス一斉の検査など幅広い検査を実施することがクラスター防止、感染拡大予防の上で極めて重要です。上記で示した他自治体の事例を参考に、「すべての児童生徒を対象とした検査」を実施できる態勢を速やかに整えるべきです。

 

P.2

3.臨時休業に関する基本的な考え方について

・1人の感染者が判明した場合、消毒の実施や濃厚接触者を特定するまでの間は、原則として当該感染者の学級を学級閉鎖する。

→現在資料4で設けられた「自宅待機」という期間が適用されておりますが、神奈川県がレベル3に移行して3週間が経過し、感染者が第5波のピークを超えている状況ですから、速やかに8月31日の上記指針に戻すべきです。

・児童生徒の同居家族に対する健康観察について、保護者に協力依頼し、発熱や風邪症状がある場合も記入してもらう。同居家族に症状がある場合も、児童生徒を出席停止とすること。

→神奈川県はレベル3に移行しておりますので、同様に「同居家族に症状がある場合も、児童生徒を出席停止とする」という上記方針に戻すべきです。

 

 

資料4

「10月1日以降の本市立学校の教育活動について」(令和3年9月24日)

 

2.臨時休業に関する基本的な考え方について

・1人の感染者が判明した場合、消毒の実施や濃厚接触者を特定するまでの間は、原則として当該感染者の学級に在籍する児童生徒を自宅待機させる。

→上述の通り、レベル3においては、自宅待機ではなく学級閉鎖に戻すべきです。


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